Subsonica (スブソニカ) の最新アルバムのタイトル 「Amorematico (アモーレマティコ)」は、その音楽的な響きが作り出す雰囲気と、このアルバムにおいてエレクトロニクス&メロディーの融合が成功したことを伝えるプレリュードだ。
柔らかなマシン、それは知性と感情とを結び付け、疲れを知らないリズム、ダブとドラムン・ベース風のアレンジ、それぞれの曲に広がりと厚みをもたらすボーカルラインと共に走り出す。
ダークなモチーフ、ポスト・パンク・シーンの主人公たちによってふりまかれた効果、つまりラップとエレクトロニクスのコラボレーションのために招かれたアーティストがいるということから、コンセプト的な面から見て、このアルバムは Massive Attack (マッシブ・アタック) の "Mezzanine" を連想させる。
Krisma (クリスマ) は、クリスティーナ・モーゼルとマウリツィオ・アルチエリによる、今や歴史的なニューウェーブ・グループだが、音響系とボーカルで "Nuova ossessione" に参加している。 DJ ロジャー・ラマ はプロデューサーとして、"Nuvole rapide" と "Sole silenzioso" に参加しているが、彼がプロデュースし、このアルバムのオリジナルサウンドを基にスブソニカをリミックスした、アルバムの最後に連なる4つのトラックで特に活躍している。
"Gente tranquilla" におけるラッパー、ラシッドの存在は、この曲の意義に特別な重苦しさ与えている。 異文化を象徴するボーカル、このモロッコ人ラッパーの発する言葉は、不寛容、恐れ、非合法といったテーマを中心にした歌詞の内容を濃縮していく。
時事関連の曲は他にもあり、例えば "Sole silenzioso" ("反抗する人々の心に物静かな太陽...")、この曲は少々ジャマイカンなトーンにのせて、ジェノバでのできごとを歌ったものだ。 "Dentro i miei vuoti"、"Ieri" といった曲では、エレクトロニクスがそれほど表立って優位に立つわけではなく、アコースティックギターやほとんどオーケストレーション的なサウンドが、包み込むような雰囲気を作り上げている。
"Amorematico"、非常に前途有望な、コンプリートなアルバムだ。 今日のイタリアで最も活気ある音楽シーンのひとつ、トリノの音楽シーンの充実度を証明しつつ、イタリアにおいても国外でも、早々に何らかの成果を収めることになるだろう。
(訳注: "Gente tranquilla" は、2001年にピエモンテ州ノヴィ・リグレで発生、イタリア中を震撼させた当時16歳の少女による連続殺人事件をもとに作られている。 "Sole silenzioso" は、2001年7月のジェノバG8時の同市内の騒乱、また、9月11日のニューヨークの事件とこれに引き続くアフガニスタン空爆とうい事実がベースになってできた曲。)
(訳注: アルバム「Amorematico」は、2002年1月の発売直後にイタリアの公式アルバムセールスチャートでNo.1になっている。また、2002年12月にプラチナディスクを獲得している。)